防水(IPX)とは
防水性能を示すIPX等級とは、国際電気標準会議(IEC)が定めた電子機器の水に対する保護レベルを示す規格です。「IP」は International Protection の略で、数字が大きいほど高い防水性能を備えています。ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなどのガジェット選びでは、用途に合った防水等級を確認することが重要です。
詳しい解説
IP規格の読み方
IP規格は「IP○△」の形式で表記されます。
- 1桁目(○): 防塵等級(固形物に対する保護)。0〜6の7段階
- 2桁目(△): 防水等級(水に対する保護)。0〜8の9段階
「IPX4」のように防塵等級の部分が「X」の場合は、防塵テストは未実施(非対応ではなく未評価)という意味です。「IP68」のように両方の数字がある場合は、防塵・防水の両方がテスト済みです。
防水等級の一覧
| 等級 | 保護内容 | イヤホンでの用途目安 |
|---|---|---|
| IPX0 | 保護なし | — |
| IPX1〜3 | 軽い滴下・散水に対する保護 | あまり見かけない |
| IPX4 | あらゆる方向からの飛まつに対する保護 | 軽い汗・小雨OK |
| IPX5 | あらゆる方向からの噴流に対する保護 | 汗・雨OK、スポーツ向き |
| IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流に対する保護 | 激しい雨OK |
| IPX7 | 一時的に水中に沈めても浸水しない(水深1m、30分) | うっかり水没OK |
| IPX8 | 継続的な水没に対する保護(条件はメーカー定義) | 水没に耐えるが、使用可否は製品仕様を要確認 |
よくある誤解
「IPX7ならIPX5の性能も含む?」 — 必ずしもそうとは限りません。IPXの各等級はそれぞれ独立したテストで評価されます。IPX7は「静水への水没」テストですが、IPX5は「噴流」テストです。両方の保護が必要な場合は「IPX5/IPX7」のように併記された製品を選ぶのが確実です。
「防水=水中で使える」ではない — IPX7やIPX8でも、Bluetoothの電波は水中では大幅に減衰するため、水泳中の音楽ストリーミングには適しません。水泳で使いたい場合は、内蔵メモリに音楽を保存して再生できるモデルを選ぶ必要があります。
防塵等級も重要
アウトドアや建設現場などで使う場合は、防水だけでなく防塵等級も確認しましょう。IP68であれば、完全な防塵性能(等級6)と水没保護(等級8)の両方を備えています。
選び方のポイント
1. 用途に合った等級を選ぶ
日常使い(通勤・散歩)ならIPX4で十分です。ジムやランニングなどスポーツ用途ならIPX5以上を選びましょう。骨伝導イヤホンはスポーツ向けモデルが多く、IPX5以上の製品が豊富です。
2. 充電ケースの防水もチェック
完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の場合、イヤホン本体は防水でも充電ケースは防水非対応というケースが多いです。アウトドアでの使用が多い方は、充電ケースの防水性能も確認しましょう。
3. 防水だけでなく耐久性も総合的に確認
防水等級が高くても、落下や衝撃に弱ければ意味がありません。MIL-STD-810G(米軍調達基準)準拠やメーカー独自の耐久テストを通過した製品は、総合的な耐久性が高いといえます。