映像分配器とは
映像分配器(ビデオスプリッター)とは、1つの映像ソースからの信号を複数のディスプレイに同時に出力するための装置です。例えば、1台のBlu-rayプレーヤーの映像をリビングのテレビと寝室のテレビに同時に映したり、PCの画面を複数のプロジェクターに同時投写したりする場合に使います。HDMIセレクターが「複数入力を1つの出力に切り替える」のに対し、映像分配器は「1つの入力を複数の出力に分ける」という逆の役割を持っています。
詳しい解説
映像分配器の仕組み
映像分配器は、入力されたHDMI信号を内部で増幅・複製し、複数の出力端子から同じ映像を同時に出力します。単純な分岐ケーブルとは異なり、信号を増幅するため、長いケーブルでの接続でも映像品質の劣化を最小限に抑えられます。
映像分配器の種類
| タイプ | 分配数 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1入力2出力 | 2分配 | 2台のテレビに同時出力 |
| 1入力4出力 | 4分配 | 店舗やイベント会場での複数モニター表示 |
| 1入力8出力 | 8分配 | 大規模施設での映像配信 |
| マトリクス型 | 複数入力・複数出力 | 複数ソースを複数画面に自由に割り当て |
マトリクス型は分配器とセレクターの機能を兼ね備えており、例えば4入力4出力のモデルなら、4つのソースを4つのディスプレイに自由に割り当てることができます。
EDID管理の重要性
映像分配器を使う際に知っておきたいのがEDID(Extended Display Identification Data)です。EDIDとは、ディスプレイが「自分はどんな解像度やフォーマットに対応しているか」をソース機器に伝えるための情報です。複数の異なる解像度のディスプレイを接続した場合、最も低い解像度に合わせて出力されることがあります。EDID管理機能付きの分配器なら、この問題を回避できます。
選び方のポイント
1. 対応する解像度とHDMI規格を確認する
4K/60Hz(HDR対応)で分配したい場合はHDMI 2.0(18Gbps)対応、4K/120Hzが必要な場合はHDMI 2.1対応のモデルを選びましょう。安価な分配器はフルHDまでしか対応していないものもあるため、仕様をよく確認してください。
2. HDCP対応バージョンを確認する
Netflix、Amazon Prime Videoなどのストリーミングコンテンツや、Blu-rayディスクの映像にはHDCP(著作権保護技術)が適用されています。HDCP 2.2以上に対応した分配器でなければ4Kコンテンツが正しく出力されないため、必ず対応バージョンを確認しましょう。
3. 出力数と将来の拡張性を考慮する
現在必要な出力数に加えて、今後モニターを増やす可能性も考慮して選びましょう。分配器はカスケード接続(数珠つなぎ)でさらに出力を増やすことも可能ですが、信号劣化の懸念があるため、できるだけ必要な出力数を1台でまかなえるモデルがおすすめです。
まとめ
映像分配器は、1つの映像ソースを複数のディスプレイに同時出力できる便利な機器です。対応する解像度やHDCP、分配数などが製品ごとに異なるため、用途に合ったスペックを確認することが重要です。会議室やイベント会場など、使用シーンをイメージしながら最適な製品を選んでみてください。