テープバックアップとは
テープバックアップとは、磁気テープカートリッジにデータを記録して保存するバックアップ方式です。「時代遅れの技術」と思われがちですが、実は大容量データの長期保管において今でも第一線で活躍しています。HDDやクラウドストレージと比べて容量あたりのコストが圧倒的に安く、30年以上の長期保存にも耐えるため、企業のアーカイブ用途では欠かせないデータバックアップ手段です。
詳しい解説
テープストレージの現在
最新のLTO(Linear Tape-Open)規格であるLTO-9は、1本のテープカートリッジに18TB(圧縮時45TB)ものデータを保存できます。
| 世代 | 容量(非圧縮) | 転送速度 |
|---|---|---|
| LTO-7 | 6TB | 300MB/s |
| LTO-8 | 12TB | 360MB/s |
| LTO-9 | 18TB | 400MB/s |
テープ1本あたりの単価は数千円〜1万円程度で、HDDと比べてGB単価が非常に安い点が最大のメリットです。Googleやマイクロソフトなどの巨大企業でも、大量のデータ保管にテープストレージが使われています。
テープバックアップのメリットとデメリット
テープの強みは、コストの安さ、長期保存性、そしてオフライン保管が可能な点です。テープカートリッジは棚に保管でき、ネットワークに接続しないため、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からデータを守れます。一方、ランダムアクセスができないため、必要なファイルを探すのに時間がかかるというデメリットがあります。テープは「よく使うデータ」ではなく「長期間保存するデータ」に適しています。
テープバックアップの活用場面
企業のBCP(事業継続計画)対策として、重要データのオフサイト保管に使われることが多いです。また、映像制作会社での撮影素材のアーカイブ、医療機関のカルテデータ保存、研究機関の実験データ保管など、長期間にわたってデータを安全に保存する必要がある場面で活躍しています。個人利用では一般的ではありませんが、写真家や動画クリエイターの中にはTB単位のアーカイブ用にテープを使う方もいます。
選び方のポイント
1. 保存するデータ量を見積もる
テープドライブとテープカートリッジは別売りで、初期投資としてドライブだけで数十万円かかります。保存するデータ量が数十TB以上になる場合に初めてコストメリットが出るため、少量のデータには外付けHDDのほうが経済的です。
2. LTOの世代を選ぶ
予算と必要容量に応じてLTOの世代を選びましょう。LTO-9が最新ですが、コストを抑えたいならLTO-8やLTO-7の中古ドライブも選択肢になります。LTOドライブは2世代前のテープまで読み込みが可能です。
3. 保管環境に注意する
テープは温度・湿度の管理が必要で、高温多湿の環境では劣化が進みます。温度15〜25度、湿度40〜60%程度の環境で保管しましょう。防湿庫の利用もおすすめです。
まとめ
テープバックアップは、大容量データの長期保存に優れた、企業のデータ保護において信頼性の高い手法です。ディスクやクラウドと比べてコストが低く、オフライン保管によるセキュリティ面の利点もあります。保存データの規模と保管期間を踏まえて、適切なテープ規格と運用方法を検討してください。