レイトレーシングとは?リアルタイム光表現の仕組みと必要スペックを解説

レイトレーシングとは、光の挙動をリアルタイムでシミュレーションするグラフィック技術です。仕組みや必要なGPU、選び方を解説します。

レイトレーシングとは

レイトレーシングとは、光の反射、屈折、影の落ち方を物理法則に基づいてシミュレーションし、写実的なグラフィックを生み出す描画技術です。映画のCGでは以前から使われていた技術ですが、近年はGPUの進化により、ゲーム中にリアルタイムで処理できるようになりました。水面の映り込み、ガラスの透過、自然な陰影など、従来の手法では難しかった光表現が格段にリアルになります。

詳しい解説

従来の描画手法との違い

従来のゲームグラフィックでは「ラスタライゼーション」と呼ばれる手法が使われてきました。これは光の挙動を近似的に計算する方法で、処理が軽い反面、反射や影の表現に限界がありました。レイトレーシングは、カメラ(視点)から光線(レイ)を逆方向にたどり、物体に当たった際の反射・屈折・吸収をシミュレーションします。計算量は膨大ですが、結果として写実的な映像を生成できます。

レイトレーシングの主な効果

効果 内容
リフレクション(反射) 水たまり、車のボディ、金属面などにリアルな映り込みを表現
シャドウ(影) 光源の大きさや距離に応じた柔らかい影を生成
グローバルイルミネーション 間接光(壁に反射して届く光)を再現し、空間全体が自然な明るさに
アンビエントオクルージョン 物体の隙間や角に落ちる微妙な陰を正確に表現

対応GPUと必要スペック

リアルタイムレイトレーシングを快適に動作させるには、専用のハードウェア(RTコア)を搭載したGPUが必要です。NVIDIAのGeForce RTXシリーズ(RTX 20番台以降)、AMDのRadeon RX 6000シリーズ以降が対応しています。ただし、レイトレーシングは処理負荷が非常に高いため、有効にするとフレームレートが大幅に低下します。快適にプレイするにはRTX 4060以上のクラスのGPUが目安になります。

DLSSやFSRとの組み合わせ

レイトレーシング使用時のフレームレート低下を補うのが、DLSS/FSRなどのAIアップスケーリング技術です。低い解像度で描画した映像をAIが高解像度に復元するため、レイトレーシングの美しさを保ちつつフレームレートの低下を最小限に抑えられます。レイトレーシング対応ゲームの多くは、DLSSやFSRとの併用を前提に設計されています。

コンソールゲーム機での対応

PlayStation 5やXbox Series Xもレイトレーシングに対応しています。ただし、PCと比べるとGPU性能に制約があるため、対応範囲は限定的な場合が多いです。フレームレートを優先する「パフォーマンスモード」ではレイトレーシングがオフになるタイトルもあります。

選び方のポイント

1. 対応GPUを確認する

レイトレーシングを楽しむなら、RTコア搭載のNVIDIA GeForce RTXシリーズが実績豊富です。予算に余裕があればRTX 4070以上がおすすめです。

2. DLSSやFSRとの併用を前提に

レイトレーシング単体ではフレームレートの低下が大きいため、DLSS(NVIDIA)やFSR(AMD)との併用を前提にすると、見た目と滑らかさを両立できます。

3. 遊びたいゲームの対応状況を確認

すべてのゲームがレイトレーシングに対応しているわけではありません。自分がプレイするタイトルが対応しているか、どの程度の効果があるかを事前に確認しましょう。