PLCアダプターとは
PLCアダプター(Power Line Communication)とは、家庭やオフィスの電力線(コンセント配線)をLANケーブル代わりに使って、ネットワーク通信を行う機器のことです。Wi-Fiルーターから離れた部屋でも、コンセントに差し込むだけでインターネット接続を確保できます。LANケーブルの配線工事が難しい環境で特に重宝される存在です。
詳しい解説
PLCの仕組み
PLCアダプターは最低2台1組で使用します。1台目をルーター近くのコンセントに挿してLANケーブルで接続し、2台目をネットワークが必要な部屋のコンセントに挿します。データは高周波信号に変換され、家庭内の電力線を通じて伝送されます。2台目のアダプターで再びデジタルデータに復元し、LANポートやWi-Fiとして利用可能にします。
メリットと注意点
PLCアダプターの最大の利点は、配線工事なしで離れた部屋にネットワークを延伸できることです。壁や床を越えてもコンセントさえあれば接続でき、Wi-Fiの電波が届きにくい鉄筋コンクリート造りの建物でも有効です。
一方、注意点もあります。電力線の品質や、接続する分電盤のフェーズ(相)によって速度が大きく左右されます。ノイズを発生させる家電製品(ドライヤー、電子レンジなど)が同じ回路にあると速度が低下することもあります。
| 比較項目 | PLCアダプター | メッシュWi-Fi | LANケーブル |
|---|---|---|---|
| 導入の手軽さ | コンセントに挿すだけ | 設置場所の検討必要 | 配線工事が必要 |
| 通信速度 | 実効100〜300Mbps程度 | 実効300〜1,000Mbps | 最大10Gbps |
| 安定性 | 電力線の状態に依存 | 電波環境に依存 | 非常に安定 |
| コスト | 5,000〜15,000円 | 15,000〜50,000円 | ケーブル代+工事費 |
メッシュWi-Fiとの使い分け
最近はメッシュWi-Fiが普及し、PLCアダプターの出番は減りつつあります。しかし、Wi-Fiの電波がどうしても届かない場所(地下室、別棟など)では今でもPLCが有力な選択肢です。メッシュWi-Fiのバックホール(中継用回線)としてPLCを併用する方法もあります。
選び方のポイント
1. 通信規格と理論速度を確認する
PLCアダプターの規格にはHomePlug AV、HomePlug AV2、G.hnなどがあります。HomePlug AV2対応で理論値1Gbps以上のモデルを選ぶと、実効速度でも十分な性能を得やすいです。
2. Wi-Fi機能付きモデルを検討する
受信側アダプターにWi-Fiアクセスポイント機能が内蔵されたモデルなら、LANケーブルなしでスマホやタブレットを直接接続できます。有線ポートも併用できるため、利便性が高まります。
3. コンセント直挿し&パススルー対応を選ぶ
PLCアダプターは電源タップ経由ではなく、壁のコンセントに直接挿すのが基本です。パススルー(コンセント穴付き)タイプなら、コンセントを1口潰さずに済むので実用的です。
まとめ
PLCアダプター(電力線通信)は、家庭の電気配線を利用してネットワークを拡張できるユニークな機器です。Wi-Fiの電波が届きにくい部屋でも、コンセントがあれば有線並みの安定した接続が得られる可能性があります。建物の配線状況との相性もあるため、まずは返品可能な製品で試してみることをおすすめします。