PD充電とは
PD充電(USB Power Delivery)とは、USB-C端子を使ってスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどを高速充電できるUSBの給電規格です。従来のUSB充電(5V/2.4A=最大12W程度)では時間がかかっていた充電を、最大240W(EPR対応時)の大電力で大幅に短縮できます。急速充電規格の中でもデバイスを問わない汎用性の高さが最大の特徴です。
詳しい解説
PD充電の仕組み
USB PDでは、充電器(ソース)とデバイス(シンク)がUSB-Cケーブルを通じてネゴシエーション(電圧・電流の交渉)を行います。デバイスが必要とする電力に応じて、5V・9V・15V・20V(EPRでは28V・36V・48Vも)から最適な電圧が自動選択されます。このインテリジェントな仕組みにより、小さなイヤホンからノートパソコンまで、1つの充電器で安全に充電できるのです。
PDのバージョンと電力レベル
USB PDは規格のバージョンアップにより、対応電力が拡大してきました。
| バージョン | 最大電力 | 最大電圧 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| PD 2.0 | 100W | 20V/5A | ノートPC、タブレット |
| PD 3.0 | 100W | 20V/5A | PPS対応で効率的な充電 |
| PD 3.1 (EPR) | 240W | 48V/5A | ゲーミングノート、モニター |
PD 3.0で導入されたPPS(Programmable Power Supply)は、電圧を細かく調整して発熱を抑えながら効率よく充電する技術です。Samsung GalaxyシリーズなどがPPS対応の急速充電を採用しています。
PD充電の対応機器
最近のノートパソコン、タブレット、スマートフォンの多くがPD充電に対応しています。Apple MacBook、iPad、iPhone 15以降、Google Pixel、Nintendo Switchなど幅広いデバイスで利用可能です。充電器とケーブルの両方がPD対応(かつ必要なワット数をサポート)していることが条件となります。GaN充電器の普及により、100W対応でもコンパクトな充電器が増えています。
選び方のポイント
1. デバイスに必要なワット数を確認する
スマートフォンなら18〜30W、タブレットなら30〜45W、ノートパソコンなら45〜100Wが目安です。デバイスの仕様書で必要なワット数を確認し、それ以上の出力に対応した充電器を選びましょう。余裕を持ったワット数の充電器なら、将来のデバイスにも対応しやすくなります。
2. PD対応ケーブルも忘れずに選ぶ
充電器がPD対応でも、ケーブルが対応していなければ高速充電はできません。60W以上の充電にはeMarkerチップ内蔵の5A対応ケーブルが必要です。USB PD 100Wを活用するには、ケーブルの仕様もしっかり確認してください。
3. 複数デバイス充電なら合計ワット数に注目
マルチポート充電器を選ぶ際は、全ポート使用時の合計出力と、1ポートあたりの最大出力の両方を確認しましょう。複数同時充電時に各ポートの出力が低下する製品が多いため、仕様をよく読むことが大切です。
まとめ
スマホからノートPCまで、幅広いデバイスを高速充電できるPD充電は現代のデジタルライフに欠かせません。対応ワット数とポート構成を確認して、手持ちのデバイスを効率よく充電できる製品を選んでみてください。