遮音性イヤホンとは
遮音性イヤホンとは、イヤーピースの密着性やハウジングの密閉構造によって、外部の騒音を物理的(パッシブ)に遮断するタイプのイヤホンのことです。ANC(アクティブノイズキャンセリング)のように電子的にノイズを打ち消すのではなく、耳栓のような原理で音を遮るため、バッテリーを消費せず音質への影響もありません。カナル型(耳栓型)のイヤホンの中でも特に遮音性能に優れたモデルを指し、ステージモニターやオーディオ愛好家に支持されています。
詳しい解説
パッシブ遮音とアクティブノイズキャンセリングの違い
ノイズキャンセリングには、パッシブ方式とアクティブ方式の2種類があります。パッシブ方式はイヤーピースの密着や筐体の遮音構造で物理的に音を遮断する方法で、遮音性イヤホンはこの方式の代表です。アクティブ方式(ANC)はマイクで拾った外部ノイズの逆位相の音を生成して打ち消す電子的な方法です。パッシブ方式は中〜高周波のノイズ遮断に強く、アクティブ方式は低周波のノイズ遮断に強いという特徴があります。
遮音性を高める構造
遮音性イヤホンの遮音性能は、主にイヤーピースの素材と形状、そしてハウジングの密閉度によって決まります。フォームタイプ(低反発ウレタン)のイヤーピースは耳道の形状に合わせて膨張して密着し、シリコンタイプよりも高い遮音性を発揮します。複数のフランジ(ヒダ)を持つトリプルフランジ型は、より深い装着で高い遮音性を実現します。プロ仕様のステージモニターイヤホンでは、カスタムモールド(耳型を取ったオーダーメイド)のイヤーピースにより最大26dB以上の遮音を達成します。
ステージモニターとしての活用
遮音性イヤホンはミュージシャンのステージモニター(イヤモニ)としても広く使われています。ライブ会場の大音量のPAスピーカーやドラムの音を十分に遮音しつつ、モニター音をクリアに聴くことができます。聴覚を保護しながら正確な音を聴き取れるため、長時間のリハーサルやライブパフォーマンスでも耳への負担を軽減できます。
選び方のポイント
1. 遮音量(dB)の確認
遮音性イヤホンの性能は遮音量(NRR: Noise Reduction Rating)で表されます。一般的なカナル型で15〜20dB、高遮音モデルで22〜26dB、カスタムモールドで最大37dB程度の遮音が可能です。通勤電車での使用なら20dB以上あると騒音が気にならなくなります。
2. 装着感とイヤーピースの選択
長時間の使用では装着感が快適さに直結します。耳道のサイズに合ったイヤーピースを見つけることが遮音性と快適さの両立の鍵です。フォームタイプは遮音性が高い反面、定期交換が必要です。付属のイヤーピースのサイズバリエーションが豊富なモデルを選ぶと、フィットしやすくなります。
3. 音質と用途のバランス
遮音性が高いほど外部ノイズが減り、小さい音量でもディテールが聴き取りやすくなります。音楽鑑賞が目的ならドライバーの音質にもこだわりたいところです。バランスド・アーマチュア型ドライバーは繊細な高音表現に優れ、ダイナミック型は力強い低音が特徴です。
まとめ
遮音性イヤホンは、一度導入すると手放せなくなる便利なアイテムです。購入の決め手は遮音量(dB)の確認です。加えて装着感とイヤーピースの選択もしっかり確認しておくと失敗を防げます。自分に合った製品を選んで、快適な環境を手に入れてください。