MQAとは?折り紙方式のハイレゾ圧縮技術をわかりやすく解説

MQA(Master Quality Authenticated)とは、ハイレゾ音源を小さなファイルサイズに折りたたむ独自のオーディオ技術です。仕組みやメリット、対応環境の選び方を解説します。

MQAとは

MQA(Master Quality Authenticated)とは、イギリスのMQA社が開発した高音質オーディオ技術です。「音楽の折り紙」とも呼ばれる独自のエンコード方式で、ハイレゾ品質の音源をCDクオリティ並みの小さなファイルサイズに折りたたんで格納できます。対応機器でデコード(展開)すると、スタジオマスターに近い高音質を再現でき、ストリーミング配信でもハイレゾ体験を可能にした技術として注目を集めました。

詳しい解説

「折り紙」方式の仕組み

MQAの核心は、人間の聴覚特性を利用した巧みなエンコード技術にあります。ハイレゾ音源には、可聴帯域外の超高周波成分も含まれていますが、MQAはこの高周波成分を可聴帯域の「ノイズフロア(聴こえない微小な信号)」の中に折り込みます。この折りたたみによって、44.1kHzや48kHzのコンテナサイズに収めながら、元のハイレゾ情報を保持できるわけです。

デコード時には、対応DACやソフトウェアが折りたたまれた情報を展開し、96kHzや192kHz相当の音源として再生します。MQA非対応の機器でも通常のPCM音源として再生できるため、互換性が高い点もメリットです。

MQAの3段階デコード

MQAの再生には段階があります。まず「MQAコア」と呼ばれるソフトウェアデコードで、対応アプリが最初の展開を行い、88.2kHzまたは96kHz相当に復元します。次に「MQAフルデコード」として、対応DACがさらに展開を行い、最大384kHzまで復元します。MQA対応DACを使うことで最も高音質な再生が可能です。

MQAの現在の状況

MQAは音楽ストリーミングサービスTIDALで広く採用され、「TIDAL Masters」として多くの楽曲がMQA形式で配信されていました。ただし、MQA社は2023年に経営破綻を経験し、その後Lenbrookグループの傘下で事業が継続されています。今後の普及動向は注視が必要ですが、既存のMQA対応DACや音源は引き続き利用可能です。

選び方のポイント

1. MQA対応DACの有無を確認する

MQAの真価を発揮するにはフルデコード対応のDACが必要です。iFi Audio、TEAC、Astell&Kernなどのブランドから対応製品が出ています。購入前に「MQAフルデコード対応」の記載を確認しましょう。

2. ストリーミングサービスとの相性

MQA音源を聴くには、対応する配信サービスを利用する必要があります。TIDALが代表的ですが、利用可能な地域やプランを事前に確認しておくと安心です。

3. 既存のハイレゾ環境との比較で判断する

すでにFLACやDSDなどでハイレゾ環境を整えている方は、MQAのために追加投資が必要かどうかを検討しましょう。ストリーミング中心で手軽にハイレゾを楽しみたい方にはMQAのメリットが大きいですが、ダウンロード購入派にはFLACで十分な場合もあります。