MIMO/MU-MIMOとは
MIMO(マイモ:Multiple-Input Multiple-Output)とは、送信側と受信側の両方に複数のアンテナを搭載し、複数のデータストリームを同時に送受信することで無線通信の速度と安定性を向上させる技術です。MU-MIMO(Multi-User MIMO)はその発展形で、複数のユーザー(デバイス)に対して同時にデータを送信できる技術です。スマートフォンやPCが多数接続される現代の家庭では、MU-MIMOの恩恵はとても大きいです。
詳しい解説
SU-MIMOとMU-MIMOの違い
従来のMIMOは「SU-MIMO(Single-User MIMO)」と呼ばれ、1台のデバイスに対して複数のアンテナで同時通信することで速度を向上させていました。しかし、複数のデバイスが接続されている場合は順番待ち(時分割)が発生し、デバイス数が増えるほど各端末の体感速度が低下していました。MU-MIMOは複数のアンテナを異なるデバイスに同時に割り当てることで、この順番待ちを解消します。結果として、多数のデバイスが同時に通信しても速度低下が起きにくくなります。
Wi-Fi規格との関係
MU-MIMOはWi-Fi 5(802.11ac)から導入されましたが、当初は下り(ルーターからデバイスへ)方向のみの対応で最大4台同時でした。Wi-Fi 6では上り方向にもMU-MIMOが拡張され、最大8台のデバイスに対する同時通信が可能になりました。Wi-Fi 7ではさらに16x16 MIMOに対応し、より多くのデバイスを効率的にさばけるようになっています。
アンテナ数とストリーム数の見方
Wi-Fiルーターのスペック表には「4x4 MIMO」や「2x2 MIMO」といった表記があります。これはルーター側のアンテナ数(ストリーム数)を表しており、たとえば4x4なら4本のアンテナで最大4ストリームの同時通信が可能です。ただし、スマートフォンの多くは2x2 MIMOまでの対応なので、ルーターが4x4でも1台あたりの速度は2ストリーム分が上限となります。4x4の恩恵は複数デバイスが同時接続する場面で発揮されます。
ビームフォーミングとの連携
MU-MIMOはビームフォーミング技術と組み合わせて使われることが多いです。ビームフォーミングはデバイスの位置を検知して電波を集中的に送る技術で、MU-MIMOと併用することで各デバイスに対して最適な電波を効率的に届けられます。この2つの技術が連携することで、多数のデバイスが接続された環境でも全体のネットワーク効率が大幅に向上します。
選び方のポイント
1. 接続デバイス数に応じたストリーム数を選ぶ
スマートフォンやPC、タブレット、スマートスピーカーなど、同時に接続するデバイスが10台を超える家庭なら4x4 MIMO以上対応のルーターがおすすめです。少人数なら2x2でも十分快適に使えます。
2. Wi-Fi 6以降のMU-MIMO対応を選ぶ
Wi-Fi 5のMU-MIMOは下り方向のみですが、Wi-Fi 6以降は上り方向にも対応しています。双方向のMU-MIMOが必要な場面(ビデオ会議やファイルアップロードなど)では、Wi-Fi 6以降の対応が重要です。
3. デバイス側のMIMO対応も確認する
ルーターだけでなく、接続するデバイスのMIMO対応ストリーム数も確認しましょう。デバイス側が1x1対応だと、ルーターの性能を活かしきれません。