ロードバランサーとは
ロードバランサー(負荷分散装置)とは、複数のサーバーやネットワーク回線にトラフィック(通信量)を振り分けて、特定のサーバーや回線に負荷が集中するのを防ぐ機器・ソフトウェアのことです。Webサービスの安定運用に欠かせない存在であり、家庭やSOHOでも複数のインターネット回線を束ねる「マルチWANルーター」として活用されています。SD-WAN技術とも密接に関係しています。
詳しい解説
ロードバランサーの仕組み
ロードバランサーはクライアント(ユーザー)とサーバーの間に位置し、受信したリクエストを複数のサーバーに振り分けます。振り分け方式(アルゴリズム)にはいくつかの種類があります。
| アルゴリズム | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| ラウンドロビン | 順番に振り分け | シンプルで均等 |
| 最少接続 | 接続数が少ないサーバーへ | 負荷の偏りを軽減 |
| IPハッシュ | クライアントIPで固定 | セッション維持に有効 |
| 重み付け | サーバー性能に応じた比率 | 異なるスペックのサーバーに対応 |
サーバーの死活監視(ヘルスチェック)機能も備えており、応答がないサーバーを自動的に振り分けから除外することで、障害時のサービス継続性を確保します。
サーバー負荷分散とWAN負荷分散
ロードバランサーには大きく分けて2つの用途があります。「サーバー負荷分散」は複数のWebサーバーにリクエストを分散するもので、大規模Webサイトやクラウドサービスで使われます。「WAN負荷分散」は複数のインターネット回線にトラフィックを分散するもので、回線の帯域を有効活用したり、1つの回線が切れても別の回線で通信を継続できます。
家庭・SOHO向けのマルチWANルーター
企業向けの本格的なロードバランサーは高価ですが、家庭やSOHO向けにも複数のWAN回線を束ねる「マルチWANルーター」が販売されています。光回線と5Gホームルーターを併用し、片方が障害を起こした際に自動で切り替えるフェイルオーバーや、両回線を同時に使って帯域を合算するロードバランシングが可能です。
選び方のポイント
1. 用途に合ったタイプを選ぶ
サーバーの負荷分散が目的ならアプリケーションロードバランサー(L7)、回線の冗長化が目的ならマルチWANルーター(L3/L4)を選びます。クラウド環境ならAWS ALBやGCP Cloud Load Balancingなどのマネージドサービスも検討しましょう。
2. フェイルオーバーの速度と条件を確認する
回線障害時にどれだけ速やかに切替が行われるかは重要なポイントです。数秒以内の切替に対応する製品を選べば、テレビ会議やVPN接続の途切れを最小限に抑えられます。
3. 管理画面の使いやすさとログ機能
トラフィックの状況や各回線の稼働率をリアルタイムで確認できるダッシュボードがあると、運用が格段に楽になります。TP-LinkやUbiquitiのマルチWAN対応ルーターは、直感的な管理画面が特徴です。
まとめ
複数のサーバーやネットワーク回線を効率よく活用するために、ロードバランサーは欠かせない存在です。導入目的を明確にし、将来のトラフィック増加も見据えた機種選定が成功の鍵になります。自分の環境に合った製品を比較検討してみてください。