ライブ配信エンコーダーとは?配信専用ハードウェアの仕組みをわかりやすく解説

ライブ配信エンコーダーとは、カメラ映像をリアルタイムで圧縮し配信プラットフォームに送出する専用機器のこと。仕組みと選び方を解説します。

ライブ配信エンコーダーとは

ライブ配信エンコーダーとは、カメラやビデオ機器から入力された映像・音声をリアルタイムでH.264やH.265などの圧縮形式に変換(エンコード)し、YouTubeやTwitchなどの配信プラットフォームに直接送出する専用ハードウェアのことです。エンコーダーの中でもライブ配信に特化した製品で、PCを使わずにカメラから直接配信できるスタンドアロン型が特徴的です。イベント配信や屋外からの中継など、PCを持ち込めない現場で重宝されています。

詳しい解説

PCレス配信のメリット

OBS Studioなどのソフトウェアを使った配信はPCのスペックに依存するため、高負荷時に映像がカクつくリスクがあります。ライブ配信エンコーダーは専用のハードウェアチップでエンコード処理を行うため、安定した配信品質を長時間維持できます。また、PCの起動やソフトの設定が不要で、電源を入れてカメラを接続すれば即座に配信を開始できる手軽さもメリットです。

対応する配信プロトコル

ライブ配信エンコーダーが対応する配信プロトコルは製品によって異なります。RTMP(Real-Time Messaging Protocol)はYouTubeやTwitchで標準的に使われるプロトコルで、ほとんどの製品が対応しています。SRT(Secure Reliable Transport)は低遅延で安定した伝送が可能な新しいプロトコルで、不安定な回線環境でも品質を維持できます。NDI(Network Device Interface)はLAN内での映像伝送に使われ、ビデオスイッチャーとの連携に便利です。

モバイル回線での配信

ライブ配信エンコーダーの中には、SIMカードを挿入してモバイル回線(4G/5G)で配信できるモデルがあります。複数のSIMカードやWi-Fi、有線LANを束ねて帯域を確保する「ボンディング」機能を持つ製品なら、1つの回線が不安定になっても他の回線でカバーでき、屋外からの安定した配信が可能です。スポーツ中継やニュース取材など、固定回線が使えない現場で活躍しています。

選び方のポイント

1. 入力チャンネル数と対応フォーマット

カメラ1台の配信ならHDMI入力1系統で十分です。複数カメラで切り替えながら配信する場合は、複数入力に対応したビデオスイッチャー一体型のモデルが便利です。業務用カメラを使う場合はSDI入力の有無も確認しましょう。

2. 配信先の同時配信(マルチストリーミング)

YouTube、Twitch、Facebookなど複数のプラットフォームに同時配信したい場合は、マルチストリーミング機能に対応した製品を選びましょう。製品によって同時配信できるプラットフォーム数が異なるため、自分の配信スタイルに合ったものを確認してください。

3. 携帯性と電源

屋外配信が多い方は、バッテリー駆動に対応した小型・軽量のモデルがおすすめです。ACアダプターのみの製品は持ち運びには不向きですが、長時間の安定配信に適しています。USB-C給電やPoE(Power over Ethernet)に対応していると、設置の自由度が高まります。

まとめ

ライブ配信エンコーダーは、安定した映像品質での配信を実現するための専用機器です。対応する配信プラットフォームや映像入力数、ビットレートの上限を確認して製品を選びましょう。配信の安定性と品質にこだわる方は、ソフトウェアエンコードとの違いを理解したうえで導入を検討してください。