LE Audioとは
LE Audio(Low Energy Audio)とは、Bluetooth 5.2以降で正式に導入された次世代のオーディオ伝送規格です。従来のBluetooth Classic Audio(A2DP)に代わる新しいオーディオの仕組みとして策定されました。新コーデック「LC3」による高効率な音声圧縮、左右イヤホンへの独立した「マルチストリーム」伝送、1対多の音声配信を実現する「Auracast」など、複数の革新的な機能を備えています。
詳しい解説
LC3コーデックの進化
LE Audioで採用されたLC3(Low Complexity Communication Codec)は、従来の標準コーデックであるSBCと比べて、同じビットレートでより高い音質を実現します。さらに低いビットレートでもSBC同等の音質を維持できるため、バッテリー消費を抑えながら音質を向上させるという、これまで両立が難しかった課題を解決しています。特にTWS(完全ワイヤレスイヤホン)では、バッテリー持続時間の改善に直結するメリットがあります。
マルチストリームのメリット
従来のBluetoothオーディオでは、スマートフォンから左右どちらかのイヤホンに音声を送り、それをもう片方に転送する「リレー方式」が一般的でした。LE Audioのマルチストリームでは、左右のイヤホンそれぞれに独立した音声ストリームを同時に送信できます。これにより接続の安定性が向上し、左右の音声遅延のズレも解消されます。また、マルチポイント接続との組み合わせもよりスムーズになります。
普及の現状と今後
LE Audioは2022年に仕様が公開され、対応製品が徐々に増えています。スマートフォン側ではAndroid 13以降、iOS 17以降で対応が進んでいます。イヤホン側も各メーカーから対応モデルが登場していますが、送信側と受信側の両方がLE Audioに対応する必要がある点には注意が必要です。今後数年で従来のClassic Audioから置き換わっていくことが見込まれています。
選び方のポイント
1. Bluetooth 5.2以降への対応を確認する
LE Audioを利用するには、スマートフォンとイヤホンの双方がBluetooth 5.2以降に対応している必要があります。製品仕様で「LE Audio対応」の明記を確認しましょう。
2. 重視する機能で選ぶ
バッテリー持ちを改善したいならLC3の恩恵が大きく、接続安定性を求めるならマルチストリーム対応が効果的です。自分の不満点に合った機能を重視しましょう。
3. 将来性を見据えた選択
今後の主流規格になることが確実なため、新しくイヤホンを購入するならLE Audio対応モデルを選んでおくと長く使えます。