FLACとは
FLAC(Free Lossless Audio Codec)とは、音声データを可逆圧縮して保存する、オープンソースのロスレスオーディオフォーマットのことです。名前の通りライセンスフリーで誰でも無料で利用でき、音質を一切損なわずに元のWAVデータからファイルサイズを約40~60%削減できます。ハイレゾ音源の配信フォーマットとしても標準的に使われており、DAPやスマートフォン、PCなど幅広い機器で再生可能です。
詳しい解説
FLACの仕組み
FLACは音声データの中から規則的なパターンを見つけ出し、予測モデルとの「差分」だけを記録することでデータを圧縮します。展開時にはこの差分情報から元の音声データを完全に復元できるため、一切の音質劣化がありません。圧縮率は0(無圧縮)から8(最大圧縮)まで設定でき、一般的にはデフォルトの5が圧縮率とエンコード速度のバランスに優れています。
他のロスレスフォーマットとの比較
| フォーマット | 開発元 | ライセンス | 対応機器 | 最大スペック |
|---|---|---|---|---|
| FLAC | Xiph.Org | 無料(オープンソース) | 非常に広い | 32bit/655kHz |
| ALAC | Apple | 無料(オープンソース) | Apple製品中心 | 32bit/384kHz |
| WAV | Microsoft | 無料 | ほぼ全機器 | 32bit/384kHz |
| DSD | Sony/Philips | ライセンス必要 | 対応機器に限る | DSD512 |
FLACは汎用性の高さが最大の強みです。Android端末、Windows PC、多くのDAP、ネットワークプレーヤーなどが標準でFLACに対応しています。Apple製品でも近年はFLACの再生に対応するようになりましたが、Apple純正のエコシステムではALACがより自然に統合されています。
FLACのタグ情報
FLACファイルにはVorbis Commentと呼ばれるメタデータタグを埋め込めます。アーティスト名、アルバム名、トラック番号などの情報に加え、カバーアートも格納可能です。このタグ情報は音声データとは独立して保存されるため、タグの編集によって音質が変化することはありません。ライブラリの管理においても、FLACのタグ情報は多くの音楽管理ソフトで正しく認識されます。
選び方のポイント
1. 再生機器の対応状況を確認する
FLACは広く普及していますが、念のためお使いの再生機器が対応しているか確認しましょう。DACやDAPではほぼ確実に対応していますが、一部の古い機器やiPod classicなどでは非対応の場合があります。Apple中心の環境ではALACへの変換も検討してください。
2. 音源の入手先を選ぶ
ハイレゾFLAC音源はe-onkyo music、mora、HDtracks、Qobuzなどのダウンロード配信サイトで購入できます。また、手持ちのCDをFLACにリッピング(取り込み)すれば、CD品質のロスレスライブラリを構築できます。リッピングソフトの設定で圧縮レベルを選べますが、音質に違いはないため、ストレージ効率の良い圧縮レベル5~6が一般的です。
3. 保存と管理の戦略を立てる
FLACファイルはMP3の5~10倍のサイズになるため、大規模なライブラリでは数百GB~数TBのストレージが必要です。NASや外付けHDDにライブラリを集約し、ネットワーク経由で再生する方法が効率的です。定期的なバックアップも忘れずに行いましょう。
まとめ
FLACは、音質を保ったまま効率的にデータを圧縮できる、最も広く普及したロスレスフォーマットです。再生機器の対応状況を確認し、音源の入手先や保存戦略も含めて計画的に管理するのがおすすめです。高音質な音楽ライブラリを構築したい方にとって、FLACは最初に知っておくべきフォーマットです。