FDM(熱溶解積層法)とは
FDM(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層法)とは、フィラメントと呼ばれる糸状の樹脂材料を高温のノズルで溶かし、一層ずつ積み重ねて立体物を造形する3Dプリント方式のことです。家庭用3Dプリンターで最も普及している方式で、SLA(光造形法)と比べて材料費が安く、大きな造形も可能なのが特徴です。
詳しい解説
造形の仕組み
FDM方式では、リール状に巻かれたフィラメントをモーターで押し出し、200〜260℃程度に加熱されたノズルから溶かしながら吐出します。ノズルはX軸・Y軸方向に移動しながら一層分のパターンを描き、一層が完成するとZ軸方向にわずかに上昇して次の層を積み重ねます。この工程を数十〜数百層繰り返すことで、3Dモデルが実体化します。
FDM方式のメリットとデメリット
FDM方式の最大のメリットは、材料費の安さと機体の入手しやすさです。PLAフィラメント1kgが2,000〜3,000円程度で購入でき、本体も2〜5万円台から手に入ります。一方、積層の跡(積層痕)が表面に残りやすく、細かいディテールの再現はSLA方式に劣ります。後処理として研磨や塗装を行うことで仕上がりを改善できます。
使える材料の種類
FDMプリンターではPLA・ABSをはじめ、PETG、TPU(柔軟素材)、ナイロン、カーボンファイバー配合など、多様な材料が使えます。材料ごとに硬さ、耐熱性、柔軟性などの特性が異なるため、用途に合った材料を選ぶことが重要です。近年はマルチマテリアル対応のプリンターも増えてきています。
選び方のポイント
1. 造形サイズを確認する
プリンターごとに造形可能な最大サイズが決まっています。小物やフィギュアなら200mm角程度で十分ですが、大きなパーツを作りたい場合は300mm角以上の大型モデルを検討しましょう。ただし本体サイズも大きくなるため、設置スペースの確認も必要です。
2. オートレベリング機能の有無
ベッド(造形台)の水平調整は印刷品質に直結します。手動レベリングは慣れが必要ですが、オートレベリング機能があれば自動で水平を調整してくれます。初心者には特にオートレベリング搭載モデルがおすすめです。
3. エンクロージャーの有無
ABSなど高温で造形する材料は、外気温の影響で反りが発生しやすくなります。エンクロージャー(筐体カバー)付きのモデルなら庫内温度を一定に保てるため、安定した造形が可能です。PLAメインなら開放型でも問題ありません。
まとめ
FDM方式の3Dプリンターは、フィラメントを溶かして積層するシンプルな仕組みで、初心者にも扱いやすいのが魅力です。造形サイズや対応フィラメントの種類、組み立て済みかキットかを確認して、自分の用途に合ったモデルを選びましょう。ものづくりの第一歩として、ぜひ最適な一台を見つけてください。