ファンレスとは
ファンレス(Fanless)とは、冷却ファンを一切搭載せず、ヒートシンク(放熱板)や筐体そのものへの熱伝導だけでCPUなどの熱を放散する設計のことです。ファンが回転しないため動作音が完全にゼロで、静かな環境で作業したい方や、ほこりの多い環境で使いたい方に適しています。ノートPCやミニPC、タブレットなどで採用されています。
詳しい解説
ファンレス冷却の仕組み
ファンレスPCでは、CPUの熱をヒートパイプやサーマルパッドで筐体(きょうたい)全体に分散し、自然放熱(対流と輻射)で冷却します。MacBook AirのM1/M2/M3モデルが代表的な例で、省電力なApple Siliconチップとアルミニウム筐体の組み合わせでファンレスを実現しています。
ファンレスが成立する条件
ファンレス設計が可能かどうかは、CPUの消費電力(TDP)に大きく依存します。
| TDPの目安 | ファンレスの可否 | 代表的なCPU |
|---|---|---|
| 10W以下 | 十分に可能 | Intel N100、Snapdragon 8cx |
| 15〜25W | 設計次第で可能 | Apple M3、Core Ultra(低電力モード) |
| 28W以上 | 困難、ファン必要 | Core i7 H型番、Ryzen 7 HS型番 |
ファンレスのメリット
- 完全無音: 深夜の作業、録音環境、会議中の使用でもファンの音を気にする必要がありません
- ほこりに強い: 吸気口がないため、内部にほこりが入りにくく、メンテナンスの手間が減ります
- 可動部品なし: ファンの故障リスクがなく、長期的な信頼性が高い傾向にあります
ファンレスの制約
最大の制約は、搭載できるCPUの性能に上限があることです。高負荷の処理(動画編集、3Dゲーム、大規模なコンパイルなど)が長時間続くとサーマルスロットリングが発生し、性能が大幅に低下することがあります。ファンレスPCは「軽めの作業を静かにこなす」用途に最適です。
選び方のポイント
1. 用途に合った性能かを見極める
Web閲覧、文書作成、動画視聴、軽めのプログラミングなど日常的な作業であればファンレスPCで快適にこなせます。Chromebookにもファンレスモデルが多く、手頃な価格で静音環境が手に入ります。
2. 筐体の放熱設計をチェック
同じCPUでもファンレスの放熱設計は製品ごとに差があります。アルミ筐体は樹脂筐体より放熱性に優れているため、素材にも注目しましょう。レビューで「高負荷時の表面温度」を確認するのもおすすめです。
3. 拡張性や接続端子も確認
ファンレスPCはコンパクトな筐体が多く、端子の数やストレージの拡張性が限られる場合があります。必要な端子(USB-A、USB-C、HDMIなど)が揃っているか事前に確認しましょう。