F値とは?カメラの明るさとボケを決める絞りの仕組みを解説

F値とは、カメラレンズの絞りの大きさを示す数値です。明るさやボケ味への影響と選び方のポイントを解説します。

F値とは

F値(えふち / F-number)とは、カメラのレンズに入る光の量を制御する「絞り」の大きさを数値化したものです。f/1.4、f/2.8、f/5.6のように表記され、数値が小さいほど絞りが大きく開き、多くの光を取り込めます。F値はカメラの「明るさ」と「ボケ具合」の両方を決定する重要なパラメータで、デジタル一眼カメラだけでなくスマートフォンのカメラスペックにも記載されています。

詳しい解説

F値と光量の関係

F値が小さい(絞りを開く)ほどレンズを通る光の量が増え、暗い場所でも明るく撮影できます。F値が1段変わると光量は約2倍変化します。

F値 光量の目安 特徴
f/1.4〜f/1.8 非常に明るい 暗所に強い、大きなボケ
f/2.0〜f/2.8 明るい 万能な範囲、適度なボケ
f/4.0〜f/5.6 標準的 全体にピントが合いやすい
f/8〜f/11 やや暗い 風景撮影向け、隅々までシャープ
f/16以上 暗い 絞り込みすぎると画質低下(回折)

F値とボケ味の関係

F値が小さい(=絞りが開いている)ほど被写界深度(ピントが合う奥行きの範囲)が浅くなり、ピントが合った被写体以外が大きくぼけます。ポートレートや料理写真で背景をぼかして被写体を引き立てたいときは、f/1.4〜f/2.8の「明るいレンズ」が効果的です。逆に風景全体にピントを合わせたい場合は、f/8〜f/11まで絞り込むのが定石です。

ボケの大きさはセンサーサイズにも影響されます。同じF値でもセンサーが大きいほどボケが大きくなるため、スマートフォンよりもフルサイズ一眼カメラの方が圧倒的なボケ味を生み出せます。

スマートフォンのF値

スマートフォンのカメラスペックでは「f/1.8」「f/1.5」などの表記をよく見かけます。センサーサイズが小さいため、数値的にはF値が小さくても一眼カメラほど自然なボケは得られませんが、ポートレートモードなどのソフトウェア処理と組み合わせることで、擬似的なボケ効果を実現しています。

「明るいレンズ」のメリットと代償

F値の小さい明るいレンズは、暗所撮影に強く美しいボケを生むことから人気がありますが、一般にレンズの口径が大きくなるため、サイズ・重量・価格が増大します。たとえばf/1.4のレンズはf/2.8のレンズと比べて2〜3倍の価格になることも珍しくありません。

選び方のポイント

1. ポートレートや夜景にはf/2.8以下

人物撮影で美しいボケを得たい方や、暗い場所での撮影が多い方は、F値の小さいレンズ(f/1.4〜f/2.8)を選びましょう。特にf/1.8の単焦点レンズはコスパに優れた入門用として人気です。

2. スマホ選びでもF値をチェック

スマートフォンを選ぶ際は、メインカメラのF値を確認しましょう。f/1.8以下なら暗所でもISO感度を上げすぎずに撮影でき、ノイズの少ない写真が期待できます。

3. ズームレンズはF値の変動に注意

ズームレンズは焦点距離によってF値が変動するモデル(例: f/3.5-5.6)と、通しで一定のモデル(例: f/2.8通し)があります。暗所撮影やボケを重視するなら、F値が一定の「通しレンズ」がおすすめです。