ダイナミックマイクとは
ダイナミックマイクとは、振動板に取り付けられたコイルが磁界の中で振動することで電気信号を発生させる、電磁誘導方式のマイクのことです。コンデンサーマイクと異なり外部電源が不要で、構造がシンプルなため耐久性に優れています。ライブステージやスタジオでの歌唱、ポッドキャスト収録まで幅広い場面で使われる、最も歴史の長いマイクの一つです。
詳しい解説
ダイナミックマイクの仕組み
ダイナミックマイクの内部には永久磁石と、振動板(ダイアフラム)に接続されたボイスコイルがあります。音波が振動板を振動させると、ボイスコイルが磁界の中で前後に動き、電磁誘導の原理によって電気信号が発生します。この方式はスピーカーの逆の原理で動作しているため、構造がシンプルで壊れにくいのが特徴です。
コンデンサーマイクとの比較
| 項目 | ダイナミックマイク | コンデンサーマイク |
|---|---|---|
| 電源 | 不要 | ファンタム電源が必要 |
| 感度 | やや低い | 高い |
| 耐久性 | 非常に高い | デリケート |
| ノイズ耐性 | 周囲のノイズを拾いにくい | 環境音も拾いやすい |
| 価格帯 | 比較的安価 | やや高価 |
| 向いている用途 | ライブ・配信・騒がしい環境 | スタジオ録音・ASMR |
ダイナミックマイクは感度がやや低い反面、周囲の環境音やキーボードのタイプ音を拾いにくいというメリットがあります。自宅で防音対策が難しい環境での配信やゲーム実況には、むしろダイナミックマイクのほうが適している場合も多いです。
近年注目されるブロードキャスト向けダイナミックマイク
ポッドキャストや配信ブームの影響で、ブロードキャスト向けの高品質なダイナミックマイクが注目を集めています。これらは従来のステージ向けモデルよりも繊細な音を拾えるように設計されており、近接効果(マイクに近づくと低音が強調される現象)を活かした深みのある声を録音できます。ただし、出力が低いモデルも多いため、十分なゲインを持つマイクプリアンプやオーディオインターフェースとの組み合わせが重要です。
選び方のポイント
1. 用途に合わせたモデルを選ぶ
ライブやカラオケにはボーカル向けのハンドヘルド型、配信やポッドキャストにはブロードキャスト型が適しています。楽器の集音にはそれぞれの楽器に特化したモデルがあるため、録音対象に合わせて選びましょう。
2. 接続方式を確認する
プロ用途のXLR接続と、パソコンに直結できるUSB接続があります。XLR接続にはオーディオインターフェースが必要ですが、USB接続なら追加機器なしで使い始められます。手軽さを重視するならUSBモデルが便利です。
3. インピーダンスとゲインの確認
ダイナミックマイクはモデルによってインピーダンスや出力レベルが異なります。特にブロードキャスト向けの高級モデルは出力が低い傾向があり、ゲインの低いオーディオインターフェースでは音量不足になることがあります。手持ちの機器のゲインが60dB以上あるか事前に確認しましょう。
まとめ
ダイナミックマイクは、頑丈で扱いやすく、幅広いシーンで活躍する汎用性の高いマイクです。ライブ、配信、楽器収録など用途によって最適なモデルが異なるため、使い方を明確にしてから選ぶのがポイントです。まずは自分のメイン用途に合った一本を見つけてみてください。