ドライバー(イヤホン)とは
イヤホンのドライバーとは、電気信号を空気の振動(音)に変換する部品のことです。イヤホンの「スピーカーユニット」にあたる心臓部で、ドライバーの種類やサイズ、数によって音質が大きく変わります。イヤホンの音の個性を決める最も重要なパーツと言っても過言ではありません。
詳しい解説
ドライバーの主な種類
イヤホンに使われるドライバーは主に3種類あります。
ダイナミック型(DD: Dynamic Driver)
最も一般的なドライバーです。磁石とコイル、振動板で構成され、スピーカーと同じ原理で音を出します。
- メリット: 低音の迫力がある、自然で広がりのある音、コストを抑えやすい
- デメリット: サイズが大きめ、繊細な高音域はBA型に劣ることがある
- 向いている人: 低音を重視する方、ポップスやロックをよく聴く方
口径が大きいほど低音の再現力が高い傾向があり、6mm〜14mm程度のものが一般的です。
バランスドアーマチュア型(BA: Balanced Armature)
補聴器の技術から発展した小型ドライバーです。アーマチュア(金属片)を振動させて音を生成します。
- メリット: 中高音域の解像度が高い、繊細な音の表現が得意、小型化しやすい
- デメリット: 低音の量感が少なめ、価格が高くなりがち
- 向いている人: ボーカルや弦楽器を美しく聴きたい方、クラシック・ジャズ好きの方
1基で再生できる帯域が限られるため、複数基を搭載して各帯域を分担させる「マルチBA」構成が上位モデルでは一般的です。
ハイブリッド型
ダイナミック型とBA型の両方を搭載したドライバー構成です。ダイナミック型で力強い低音を、BA型で繊細な中高音をそれぞれ担当させることで、全帯域でバランスの取れた音質を実現します。
- メリット: 低音から高音まで死角がない、表現力が豊か
- デメリット: 価格が高め、ドライバー間のつなぎ(クロスオーバー)の調整が難しい
- 向いている人: あらゆるジャンルを聴く方、音質にこだわりたい方
ドライバー数と音質の関係
「ドライバー数が多い=高音質」とは限りません。ドライバーの数が増えるほど構成が複雑になり、各ドライバーの音のつなぎ方(チューニング)が難しくなります。シングルダイナミックドライバーでも、チューニングの優れた製品は多数のBAを搭載した製品に引けを取らない音質を実現しています。
最新トレンド:平面磁界型
近年、イヤホンにも平面磁界型(プレーナーマグネティック)ドライバーを採用するモデルが増えています。薄い振動板の全面を均一に駆動するため、歪みが少なくクリアな音が特徴です。ハイレゾ音源との相性も良く、高級イヤホン市場で注目されています。
選び方のポイント
1. 好みの音楽ジャンルで選ぶ
低音重視ならダイナミック型、ボーカルの繊細さを求めるならBA型、万能さを求めるならハイブリッド型がおすすめです。自分がよく聴くジャンルに合ったドライバー構成を選ぶことが満足度につながります。
2. ドライバー数より「チューニング」を重視
スペック上のドライバー数に惑わされず、実際のレビューや試聴での評価を参考にしましょう。シングルドライバーでも素晴らしい製品はたくさんあります。
3. ワイヤレスでもドライバーは重要
完全ワイヤレスイヤホン(TWS)でもドライバーの種類は音質を左右します。最近は完全ワイヤレスにもBA型やハイブリッド型を搭載した高音質モデルが登場しています。ノイズキャンセリングなどの機能だけでなく、ドライバー構成もチェックしましょう。