色域とは
色域(しきいき / カラーガマット)とは、ディスプレイが再現できる色の範囲のことです。人間の目は非常に広い範囲の色を知覚できますが、ディスプレイはその一部しか表示できません。色域が広いディスプレイほどより多くの色を表現でき、写真や映像をより鮮やかに、自然に表示できます。製品仕様では「sRGB 100%」「DCI-P3 95%」のように、特定の色空間規格に対するカバー率(%)で色域の広さが表されます。
詳しい解説
色域の表し方 ── カバー率と面積比
色域を語るときに注意したいのが、「カバー率」と「面積比(ボリューム)」の違いです。「sRGB カバー率100%」は、sRGB色空間に含まれる色をすべて表示できることを意味します。一方「sRGB比 130%」は、表示できる色の面積がsRGBの1.3倍あるという意味で、sRGBの色を全て含んでいるとは限りません。正確な色再現を重視するなら、面積比ではなく「カバー率」に注目するのがポイントです。
パネル方式と色域の関係
ディスプレイのパネル方式によって色域の傾向が異なります。IPS方式は色の正確さと広い視野角に優れ、プロ向けの広色域モニターに多く採用されています。VA方式は高いコントラスト比が特徴ですが、色域はモデルによって差があります。TN方式は応答速度に優れる反面、色域は狭い傾向です。OLEDやQD-OLEDは自発光方式の特性を活かし、DCI-P3を99%以上カバーする広色域を実現しているモデルが多くあります。
色域が重要になる場面
一般的なWebブラウジングやビジネス文書の作成ではsRGB 100%で十分ですが、写真編集や動画制作では広い色域が作業の質に直結します。特にHDRコンテンツの制作・視聴ではDCI-P3以上の色域が推奨されます。また、印刷物の制作ではAdobe RGB対応が望ましいです。ゲームでもHDR対応タイトルでは広色域モニターのほうがより鮮やかな映像を楽しめます。
選び方のポイント
1. 用途に合った色空間のカバー率で選ぶ
一般用途ならsRGB 100%で十分です。映像編集やHDRコンテンツの視聴ならDCI-P3 90%以上、印刷関連の作業ならAdobe RGB 99%以上を目安にしましょう。
2. 「面積比」と「カバー率」を混同しない
製品スペックを見る際、「NTSC 72%」「sRGB比 130%」といった表記がカバー率ではなく面積比である場合があります。正確な色の再現性を知りたい場合は、カバー率を確認することが大切です。
3. 色域だけでなく色精度も確認する
色域が広くても、各色が正確に表示されなければ意味がありません。プロ用途なら、色の誤差を示す「Delta E」値が2以下のモニターを選ぶと、信頼性の高い色表示が期待できます。